ネームタンク受講生・七糖レンジ先生がマグコミマンガ大賞で期待賞受賞!
受賞作は「ネームできる講座(動画版)」で作ったネームとのことで、七糖先生がこれまでどんな風に漫画を描いてきたのかいろいろインタビューさせていただきました!
「二度と漫画描けないのかな」脳の異常から5年間のリハビリ
マグコミさんのマンガ大賞にて、
— 七糖⚡️ (@7_syr) February 29, 2020
「room102」という作品で期待賞を受賞しました👏
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━━この度は受賞おめでとうございます!
七糖先生はいつから漫画を描いていますか?漫画家を目指したきっかけがあれば教えてください。
七糖:漫画は社会人になりたてくらいから趣味で描いて本出したりしてました。
絵を描き始めたのも高校生くらいからなので遅めです。
漫画家を目指したきっかけは、医療の仕事してたんですけど、ある時、過労で倒れて脳に異常をきたしたんです。
そこから絵が描けなくなって。パーツを認識できない感じで。
━━絵が描けなくなる!そんなことあるんですね…!
七糖:そうなんです。
それがすっごい悔しくて。二度と漫画描けないのかなとか思っちゃって。
それで「漫画描くの好きだったんだな」って痛感して、必死にリハビリしました。
あとはもう、生き延びれた人生使って己の漫画を取り戻そう(?)って思って、漫画家を目指しています。

七糖先生の作品
━━壮絶なきっかけ…!再び漫画を描くことと引き換えに、諦めたものも多いのでは…?
七糖:諦めたのは医療の道ですかね。ブランクあるとガッツリ現場に再就職って難しくて。
でも、知識としては残ってるし、沢山の人と関われたので完全に捨てちゃったわけではないですね。自分の礎になっている気がします。
━━キャリア的にもすごい急展開ですね。
漫画家を目指し始めてからはどのような行動をとりましたか?
七糖:とりあえず、まずは絵を描くことからめちゃめちゃリハビリしました。
当時は描けないので泣きながら(笑)
━━リハビリはどのくらいの期間がかかったんですか?
七糖:漫画の形にどうにか完成させることができるようになったのは5年位ですね。
でもまだまだリハビリ中な気はします。
なんとか形にできるようになってから、出張編集部とかに持ち込みさせてもらいました。

初期の作品
「これが二人三脚か…」最初の担当さんとの出会い
━━出張編集部にはどんな作品を持ち込んだんですか?
七糖:サスペンス漫画を青年誌に持ち込みしました。
厳しいことは言われましたが、すごく的確で、どう直せばいいかも具体的に教えてくれるので感動しました。
その方が最初の担当さんです。
━━さっそく担当さんがついたんですね!
七糖:ありがたいことです。
自ら「私は厳しいのでキツイ事も言います」と仰ってた担当さんだったんですけど、作品を良くしようと真摯に向き合ってくれているからこその厳しさでした。
すごくいい担当さんに恵まれたなと思いましたし、全然辛くはなかったです。
「これが二人三脚か…」と思いました。

進路相談レポ漫画より
━━すごく良い出会いだったんですね。初代担当さんは七糖先生の作品のどういう点に才能を見出して担当になってくれたんだと思いますか?
七糖:多分、ダーク路線描ける点だと思います。
情け容赦ない話を出せるのは強みでもあるし、容赦なさすぎて弱みかなとも思いますね。
私の発想、万人受けしないめちゃくちゃな発想なんですけど、担当さんと作っていくなかで、それを工夫して商業向けの形にしようと努力することを学びました。
小6で目覚めた「退廃美萌え」
━━七糖先生の作品、確かにとってもダークですよね。どうしてそういう作風になったんですか?
七糖:小6のときに祖父の家にあった坂口安吾全集を読んでめちゃめちゃ感銘を受けたんです。
人生最初の萌えだと思います。
特に「夜長姫と耳男」の「好きな物は呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。」というセリフがすごく印象的で。
あと、「桜の森の満開の下」の影響で、退廃美がとにかく好きになりました。
━━退廃美…!七糖先生にとって退廃美ってどういうことですか?

溢れる退廃美萌え
七糖:人って死ぬようにできてるのも退廃美だし、複雑な感情があるからこそその人なりの「終わり」の瞬間があるっていうのも退廃美かなと思います。
その辺を切り取って漫画にしてるので、結末もバッドエンドかメリーバッドエンドになりがちなんです。
ゴア描写もあったりして、ジャンルは大抵サスペンスかホラーで…
でも単純に残虐なシーンやバッドエンドが描きたいわけじゃなくて、退廃美とか耽美を表現したくてそうなっちゃってる気がします。
東西さんの萌え診断では「何考えてるかわかんない人間がその目的を現した瞬間萌え」と診断されました。
サスペンスばっかり描くのって、そういう人間を描きたいからかーって納得しました。

進路相談レポ漫画より
「プロになれない」と見捨てられたトラウマから
━━今回受賞した『room102』はネームできる講座で作ったネームとのことですが、どんなテーマの作品ですか?
七糖:テーマは「大衆に迫害される変わり者」です。
世間から疎まれる厄介者しか住んでないアパートとかあったら面白そう!じゃあ大家が一番頭おかしい奴だな!という発想から作った作品です。
ネームできる講座で学んだ、「コレドナ感」と「キャラの主義を具体的に」ということを大事にして作りました。

受賞作『room102』
━━講座を受けてみて何か変わりましたか?
七糖:
ネームきりやすくなりました。
クライマックスだけじゃなくて、そこに至るキャラの主義とか作品のテーマをしっかりさせようという心持ちになりました。
もともとキャラクターを作るのがめちゃめちゃ苦手で。
ストーリーにキャラが動かされがちだったんですが、少しずつ改善してるように思えます。

ネームできる講座レポ漫画より
━━それはよかったです!
ネームタンクを知ったきっかけは以前レポ漫画に描いてくれましたが、かなりトラウマになるような出来事でしたよね。
七糖:
そうですね。
初代担当さんが異動になった後、引き継ぎで新担当になってくれた方が一方的に担当を降りて、「プロになれない」とか「連載できない」とか言われて見捨てられました。

進路相談レポ漫画より
━━辛いですよね…それでもこうして漫画を描き続けることができているのはなぜですか?
七糖:
筆を折る時は、他人の言葉じゃなくて自分の意志なんだろうなと。
自分で一度筆を折らざるをえないような状況になったからこそ、他人に折られるなんて無いんだろうなという感じです。
さすがに積み重ねたものを壊されたショックは大きかったですけど、一度壊されたなら、もう一度組み立て直せばいいじゃん、って思って(笑)
やれるだけやってみたいなーと思ってます。
━━確かにそうですね…! 今ネームを描くのがしんどいという人、自信を失っている人に伝えたいことはありますか?
七糖:
万人受けしない、好き嫌いが分かれる、そう言われる私のような作風の方もきっといらっしゃると思います。
でも筆を折るのはいつだって他人の意見じゃなくて自分自身だと思います。
自分にしかない萌えを追求して表現できる漫画、共に追求しましょう!
━━七糖先生、本日はいろいろなお話ありがとうございました!
七糖先生の今後のご活躍楽しみにしております!

七糖レンジ icon-twitter pixiv
七糖レンジです 漫画を描いています 二次は七糖よしの名義
サスペンスとか狂人とか人の闇を描くのが好き メリバになりがち
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