ネームできる講座受講生で、サンデーうぇぶりでデビューした新人漫画家・櫻井亜矢子先生にコラムをご執筆いただきました!
同人活動をはじめいろいろな方法で漫画を発表してきた櫻井先生による漫画家志望者へ向けたメッセージ、ぜひご覧ください!
初めまして、櫻井亜矢子と申します。
小学館の漫画アプリ「サンデーうぇぶり」にて賞を頂き、「百合男子、女子校になる」でデビューし、現在(2019/4/24)第二話を更新いたしました。
【第二話更新&1万ハート感謝プレゼント企画】
— 櫻井亜矢子@百合男子転生サンデーうぇぶり (@kyo_anzuya) 2019年4月23日
「百合男子、女子校になる」第二話が更新されました。https://t.co/zXoHKfATp0
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今回は
- 同人活動やネットを活用しつつ商業を目指す利点とは
- 作品の良し悪しは何で決まるのか
- TwitterなどのSNSを使った、誰にでも出来る自信を持つ方法
をメインにお伝えしたいと思います。
私は同人をメインで活動していました。
年に7、8冊発行する傍ら、漫画アシスタント、イラストレーター、デザイナーなどの仕事をしつつ、友人からの勧めもあり漫画賞に応募。結果デビューしました。
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同人活動やネットを活用しつつ商業を目指す利点とは
学生時代に某少女漫画誌に3回ほど投稿しましたが、残念ながらあまり上手くはいきませんでした。
しかし数人の編集さんだけに見てもらうだけでその作品をお蔵入りするのはもったいないと思い、同人誌にすることにしました。
でも初めてコミティアに参加した時、ほとんど売れませんでした。
そもそもスペースに人が来なかったのを覚えています。
その時気付きました。
コミティアは元々初参加者にはとてもハードルが高いです。
二次創作のように元々人気のある原作ファンが付いているわけではないので、作者のことも作品の内容も何も知らない人がスペースの前を通りかかっても、何かフックが無いと手に取ってはもらえません。
まず、ネット上で私の作品を知ってもらう。
その上でたくさんの人にファンになってもらう必要がありました。
そうするためには、表紙やスペースのポスターやお品書きを見て、作品のフックがわかることが大事でした。
当時出した本は、少女漫画のベタな恋愛ものでした。
でもそれ以上に説明しようとすると一言では言えない話でした。
一言で内容が言えないということは、フックがないということだと思います。
この漫画はどんな萌えがあるのか、それがその時の本にはありませんでした。
学園、ファンタジー、歴史、職業モノ、BL、NL、百合、友情、戦い、などいろんな題材がある中で、私は何が好きで何が書けるのか。
ティーン、二十代、三十代、四十代…、学生、社会人、オタク、一般人、男性、女性など、どんな人が私の作品を好きになってくれるのか。
私の好きなことと出来ることと、私の作品を好きになってくれる人はどんな人なのか、いろいろ試行錯誤して検討しました。
いろいろ試した結果、BLからNLに行き、今は百合を描いています。
どのジャンルも今も昔も大好きですが、男の子より女の子を描く方が私の良さを活かせるんじゃないかと思ったので、最終的に百合を描くようになりました。
でも共通しているのは恋愛を描くということです。
人の心理に興味があったので、私にとって恋愛が一番心の動きを描きやすかったのです。
そして私の作品を好きになってくれる人は、男性が多めですが女性が少なからずいて、大体二十代〜三十代。
少年誌や少女誌が好きな大人でした。
そうやって作品を描き続けて検討していくと、いつの間にか私の萌えに共感してくださる方が増えていきました。
そしてその共感してくださった方々が、私の良いところをたくさん見つけてくれました。
友人も知人も、たくさんいろんなことを教えてくれました。
私の持っている個性とは、オリジナリティとはどんなものかを周りが気付かせてくれました。
私はどんなカタチであっても漫画を描き続けたかったので、同人活動とネットを活用するという方法を取りました。
正攻法で賞取ってデビューして連載して単行本で稼ぐのはもちろん理想ですが、いろんなやり方をすることで心に余裕が生まれました。
いろんなものを描くことで、結果自分の作品の幅が広がりました。
そして私がデビューした経緯は結構特殊でした。
サンデーうぇぶりの漫画賞に応募し、デビューする前、私は他の出版社で連載会議用のネームを作っていました。そして落ちました。
百合男子が百合を眺めて萌えつつ、その百合の恋愛問題を解決するという話でした。
連載会議に落ちた理由は演出力が足りないということなので、ちょうど東京ネームタンクさんで「演出力最大化ゼミ」をやっていたので、即受講することに。
32Pのネームを4Pに直して演出力を鍛えました。
【創作漫画】百合男子が男が自分しか居ない高校に入学してしまった話
— 櫻井亜矢子@百合男子転生サンデーうぇぶり (@kyo_anzuya) 2018年5月26日
わたしの出身校がホントにこんな状況だった(その男子生徒が百合男子だったかどうかは知らない) pic.twitter.com/Au0a0mG0jW
そうしたらなんとその作品がTwitterでかなりバズりました。
そのまま三話まで話を考えてTwitterでアップしたあと、書き下ろしを加えてコミケで頒布し、書店委託もしました。
連載会議に落ちたときは悔しかったですが、これでやれることはやりきったな、と思いました。

満足はしていましたが、ある日東京ネームタンクさんのメルマガで、サンデーうぇぶりで4P漫画の賞を開催していることを知りました。
ちょうど良かったのでその漫画の一話をそのまま賞に応募しました。
それが賞をいただいて、今回の掲載に繋がったんです。
連載会議で落ちた百合男子のネタは、結果的にいろんな展開を経て少し形を変えてデビューすることになりました。
たった一つのネタで、いろんな展開が出来ました。
自分の信じるネタを、いろんな方法で表現し試してみることで思わぬ展開が生まれることがあります。
私は同人活動やネットでファンの方々に育てられ、結果商業デビューしました。
よかったらいろいろやってみてください。
きっと自分の好きがたくさん見つかりますし、自分の作品を好きになってくれる人が現れると思います。